2014年1月30日木曜日

FBI訪問

 29日の午前はFederal Judiciary Centerを訪問。日本で言えば最高裁の事務部門と司法研修所を外出ししたような機関と思われました。担当者による説明は、FJCの機構や役割に関するものと、連邦司法制度の全般的な説明が多く、ややハーグ条約とは遠かった印象でした。
 午後は、ひとつの目玉だったFBI(連邦捜査局)訪問。厳重なセキュリティーチェックを受け、iPhoneをはじめ、すべての電子機器を取り上げられて、連れて行かれたのはFBI関連グッズのショップ。その後はFBIの栄光の歴史をたどる展示。絵画のなかに仕込まれた盗撮器など、目を引くものもありましたが、ちょっと拍子抜けでした。
 ところが、その後の担当者の話はとても興味深いものでした。私たちの最大の関心は、ハーグ条約の手続のなかで父母が和解をして、連れ去ってきた母が子を連れて米国に戻ることにしたケースで、果たしてFBIがなお母親を逮捕するかという点でしたが、これに対する答えはNOでした。FBIは、国際的な子の連れ去りは、あくまで民事的に解決されるべき問題で、刑事処分は最後の手段だと考えている、従って円満な合意が成立して、子どもが帰ってくることになったのに、なお刑事処分のために身柄拘束をすることは考えていない、とのことでした。合意の成立を証明するのには、日本の裁判所の調停調書+訳文で十分な印象でした。また、帰国するにあたり、訴追権を持つUS Attorneyが訴追しない旨の一筆を書くこともあるそうでした(FBIはその旨をUS Attorneyに進言するそうです)。もっとも、State Lawについては、よくわかりませんでした。
 熱心にやりとりしていた結果、次の訪問先である米国厚生省への到着はぎりぎりに。こちらはハーグとはほとんど関係なく、子ども虐待に関する取り組みの紹介でした。むしろ日頃子ども虐待問題に取り組む私としては、なじみのお話でした(ただ、養子縁組の多さには改めて驚くとともに、縁組後の支援もかなりやっている印象でした)。ただ、連邦政府は基本的に州政府にお金を出す代わりに施策をやらせるという立場で、実際の運用は州あるいは郡の状況を見なければわからない印象でした(そして、州や郡の取り組みには相当ばらつきがあるようでした)。

DCの食事

 1998年にLos Angelsを訪ねたときは、米国の食事のマズさに辟易しました(失礼!)。ところが、今回は意外とおいしく、食事が楽しみになっています。
 dinnerからいくと、やはり海産物が美味。DCを含むこの地域の名物はcrab cakeと言って、カニのみをほぐしてハンバーグみたいにしたものですが、カニの風味が鼻腔に広がり秀逸です。また、鮭が実に脂がのっていて美味。香ばしく焼けているため、これも秀逸です。
 一方、最近の米国人の健康志向から、野菜もそれなりに出てきます。「揚げたジャガイモだけが山盛りに」ということはなく、緑黄色野菜も結構でてきます(例外は、このホテルの朝食。野菜が全くありません)。
 昼はファーストフード的なところが多くなりますが、それでも悪くありません。27日は近くのスーパーで総菜を買って食べましたが種類も豊富だし、味も上々。28日は定番のハンバーガーを食べましたが、five guys burgerは全米でも何度か1位を取っているバーバーショップで、注文してからハンバーグを焼き上げるスタイルで、とてもおいしかったです。29日はCosiというチェーン店でしたが、ステーキとクランベリーのチリスープ(意外な組み合わせですが、絶妙)、たっぷりのシーザーサラダでした。
 先ほど朝食には野菜がないと書きましたが、フルーツはたっぷり出ます。私は毎朝、カットフルーツにたっぷりとヨーグルトとかけて、若干のクルミと干し葡萄をトッピングして食べています。
 一方、甘いものを食べる機会がほとんどないこともあって、食事時には健康的にお腹が空きます。快食快便で(また失礼!)、強烈な寒さにもかかわらず、今のところは健康的に過ごせています。
 写真は、28日の夜に、ホテルのレストランCafe Soleilで食べた料理。何とサーモンのなかにカニの肉が詰め込まれている、シーフードの王様的料理。

結構忙しい・・・

 プログラムが始まってみると、結構忙しさを感じています。
 ここ数日、だいたい午前3時から午後4時に起床し、メールチェックや対応、このブログの作成や日程の確認、シャワーを浴びるなどして、午前7時ころに朝食を摂ります。その後、午前9時前後にロビーに集合し、それからは概ね午後5時ころまで各所の訪問が続きます。ホテルに戻って午後6時~午後8時がディナータイム。午後9時前にはホテルに戻りますが、そのまま夕食タイム。ほとんど疲れて寝てしまうというスケジュールです。
 さて、28日は、午前中がAmerican Bar Associations(米国弁護士協会)のCenter on Children and the Lawを訪問しました。ちょうど日弁連の子どもの権利委員会に該るものですが、20人弱のスタッフを抱えて幅広い事業を展開している一方、ABA本体からの財政的支援はわずかで、多くは連邦政府の補助金や民間からの寄付に頼っているとのことでした。そもそもABAは日弁連と異なり強制加入団体ではなく、弁護士のみならず(数は多くはないけれど)裁判官も会員になっているなど、違いも感じられました。
 午後は、本当は司法省で少年非行を中心とした説明を受けるはずだったのですが、担当者の都合がつかずキャンセルとなり(このあたり、アメリカ的です)、その代わりCalifornia州上院議員であるSenator Barbara Boxer氏の政策担当秘書との面談が入りました。30分程度の短いものでしたが、米国としては日本のハーグ条約加盟を高く評価しているが、この条約は遡及効がないため、条約発効前の連れ去りケースの解決を引き続き検討しなければならないなどと「圧力」(?)をかけられました。また、子どもの監護者の決定や面会交流をめぐる日本の法律関係者の意識、さらには一般市民の意識を変えていくのに、米国政府が協力できることはないか、などという質問があり、何だか外務省の役人みたいな回答をしてきました(苦笑)。
 その後は時間が空いたため、連邦最高裁判所を訪問。特にappointmentがあったわけではなかったため、一般の観光客と同じ扱いでしたが、法廷にも入れてもらえて、いろいろと説明を受け、とても興味深い時間でした。驚きはたくさんありましたが、ひとつだけ触れれば、法廷の天井近くを飾る彫刻には世界中の法にまつわる賢人が描かれているのですが、なんと孔子やモハメッドもいることに非常に驚きました。
 夜は、通訳はなしで、Kennedy Centerへ。ここは巨大な劇場、あるいはコンサートホールの複合体です。お目当ては午後6時から毎日開催される無料のコンサートでしたが、曲目も意味不明で、あくびをしながら聴いていました。
 写真は、言わずと知れた米国連邦最高裁判所。

2014年1月28日火曜日

プログラムスタート

 今日はいよいよプログラムが正式スタートです。午前中は、国務省から委託を受けてこのプログラムを計画してくれたNGO、Meridian Internatioal Centerを訪問し、プログラムの説明や注意事項などを伝達されました。生活費も国務省が負担してくれるのですが、あらかじめ1,350ドルが入ったデビットカードを渡され、これでまなかうらしいのです。昨年度まではトラベラーズチェックだったようですが、デビットカードのほうが格段に便利です。
 ランチは、カファトさんの案内で近くのスーパーマーケットで総菜を買って、MICに持ち帰っていただきました。スーパーは普通のビルの2階にあり、外から見るととてもスーパーがあるとは思えない作りでしたが、足を踏み入れるととても充実していました。
 午後は、退役軍人で、長く政府関係者として働いてきたMr. Kushによる連邦制度全体の講義を受け、終了。夜は、ジャーナリストのNさんも加わって、初日に振られた(2時間待ちと言われました)オーガニック料理「Founding Farmers」へ。カニの肉でつくったcrab cake、アメリカらしいスペアリブ、それに分厚くて脂ののったサーモンにアプリコットジャムを塗って焼き上げた不思議な料理と、とても楽しめました(ひとりあたり40ドル)。
 写真は、MICです。古き良きアメリカを伝える建物でした。

2014年1月27日月曜日

Smithsonian

 1月26日(日)は、午前8時から、一緒のグループのKさん、Uさん、それに機内で知り合った別グループのNさんと一緒にホテルで昼食。バイキングで、パンの種類が多いのはプラス評価ですが、野菜がないのがマイナス評価でした。それに皿がいちいち巨大で、ヨーグルト用の皿がカレー皿くらいありました。
 その後、午前10時から、通訳のKafatosさんとともに2階のソファーでミーティング。プログラムの内容と生活に関する一般的な注意事項でしたが、プログラムは「ころころ変更されるので、臨機応変な対応が大事」と日本語で言われました。本当に日本語がお上手です。読み方が「カファト」さんか「カファトス」さんかと尋ねたところ、元々ギリシャ系で「s」も発音していたようだが、ただでさえ一般的でない名前なので短くしようと考え「s」は発音していないとのこと。そんな勝手に決められちゃうんだと驚きでした。治安については、私たちのいるところは安全だが、夜の一人歩きは避けるようにと言われました。
 午前11時ころに、KさんとUさんと私の3人で、毛糸の帽子、マフラー、コート、手袋の完全防備で(おっと、ホカロンも)、Smithsonian(スミソニアン)に出かけました。Smithsonianは、多数の博物館の複合体で、そのなかでも特に有名なのが、①国立アメリカ歴史博物館、②国立自然史博物館、③ナショナルギャラリー(美術館)、④国立航空宇宙博物館の4つと言われています。掲示されている英語の解説も読みながら堪能するには少なくとも1週間はかかりそうですが、われわれには如何せん時間がありません。そこで、ガイドブック『地球の歩き方』に「必見」と書かれているものを中心に、「0.1秒でもよいから、全て見る」ことを目標に歩きました。
 それからは、実に「歩く、歩く、歩く」。最後に国立航空宇宙博物館の正面玄関を出たときには、閉館20分前の午後5時10分。途中、ナショナルギャラリーのcafeで、昼食代わりのトマトスープとレモンケーキ、それにダイエットコーラを飲みましたが、それ以外はほぼ休みなく歩き回りました。個人的に印象に残ったのは、①国立アメリカ歴史博物館では、星条旗の「原本」。薄暗いなかで床一面に広がった本物の星条旗は、傷つきながらも崇高でした。②国立自然史博物館では、いわくつきのホープダイヤモンドはさることながら、膨大な鉱物の標本は圧巻でした。③ナショナルギャラリーでは、贅沢な印象派の傑作の数々(なぜかゴッホの自画像は見逃してしまいました)。④国立航空宇宙博物館では、ライト兄弟の飛行機と、1986年に世界初の9日間無給油無着陸世界一周を成し遂げたボイジャー(この狭い操縦席に9日間も???)、それに火星に着陸した探査機が撮影した写真でしょうか。
 Smithsonianを出た後もてくてく歩いてホテルに戻り、少し休憩の後、Kafatosさんの見つけてくれたヌードル専門店へ。私の選んだチキンヌードルは、ラーメンとパスタが融合したようなものでしたが、疲れ切った体にはちょうどよい温かさでした。

2014年1月25日土曜日

極寒のDC

 私の利用した全日空NH0002便には、コースが異なるものの、私と同じくIVLPに参加する弁護士のSさんも乗り合わせました。また、偶然隣に座った女性が私の持っていた資料を見て、「IVLPに参加される方ですか」と声をかけてくださいました。この方はジャーナリストのNさんで、やはりコースは異なるもののIVLPに参加されるとのこと。こうして3名の同志(!)でダレス国際空港(Dulles International Airport)に降り立ちました。
 ここで簡単にIVLP、つまりInternational Visitor Leadership Programについて説明しておきます。IVLPは米国国務省の国際交流事業の一環で、さまざまな国において特定の分野のリーダー、あるいはリーダーになるべき人を米国に招き(私がその範ちゅうに入るとは思えませんが)、その関心のある分野について米国の取り組みや実情を理解してもらうとともに、それにとどまらず米国の文化全般にも親しんでもらうというプログラムです。何と毎年4,500人前後の人々が参加していると言いますから、米国の懐の深さには感嘆です。
 IVLPのコースは、いくつか種類があるようで、私が参加するのは同じ国の参加者数名で特定のテーマについて調査をするコース。弁護士のSさんやジャーナリストのNさんが参加するのは、さまざまな国からの参加者と一緒に、ある程度広い分野を調査しつつ、参加者相互の交流もはかるコース。Sさんは「子どもの人権」というテーマで、子ども虐待や少年非行などを調査するらしく、一方、Nさんは「人権とコミュニティ」というテーマで、障害者の人権、HIV感染者の人権、LGBT(同性愛者)の人権などを取り上げるそうです。
 私は、東京の弁護士Kさんと沖縄の弁護士Uさんの3人で、Washington, DC→Baltimore→Manchester→Reno→Sacramento→San Franciscoと回ります。日本語堪能な通訳兼エスコートが終始付き添ってくださるので、何だか申し訳ないほど楽ちん。
 さて、今日は昼前にホテルに到着し、近くのスタバで昼食を済ませた後、早速、単身Mallに繰り出しました。しかし、寒い! 頭の芯まで冷えて、このまま気を失うのではないかと! ホテルを出て15分ほど歩いたところでギブアップしようかと思いましたが、何とか頑張って、ホワイトハウス(外からしか見られない)、ワシントン記念塔、リンカーン記念館と回って参りました。
財務省付近から国会議事堂を望む
 
ホワイトハウス。9.11以降、立入禁止だそうです

2014年1月24日金曜日

出発前夜

 出発前は、訪問地の下調べをしておきたいとか、discussionのために日本の現状を調べておきたいなどと考えるのですが、実際には出張中の仕事を前倒しで片付けるだけで手一杯。国務省からいただいた米国司法制度について書かれた日本語文献だけは何とか一読しましたが、そのほかはほとんど準備らしい準備もなく、まもなく日本を出発です。