12日(水)は、基本的にSacramentoからSan Franciscoへの移動日でしたが、午前中はSacramento市郊外の法律事務所を訪問しました。家族法を専門にしている女性の弁護士で、お話を聞いていても、家族法実務に精通している印象でした。
離婚と子どもの監護についていろいろなお話をうかがいましたが、率直な印象は、日本人の母親が子どもを連れて合法的に日本に戻るのは、かなり大変だというものでした。簡単に言えば、日本への帰国を認められるには、帰国後も米国の文化に触れられる環境を保障すること、米国人父親の面会交流が保障されること(特に交通手段)、そして、カリフォルニア州の裁判所で決めたことを守ることが必要です。最後の要件の担保のために、例えば500万円くらいの保証金を積まされたり、資産に担保を設定させられることがあるようです。これでは貧しい母親が要件を満たすことは容易でないように思われます。もっとも、弁護士さんは、それでも90年代と比べれば、要件が緩やかになったとおっしゃっていました。
California州は、6か月間子どもが州内に住むと、California州が子の監護に関する争いについて管轄権をもつという法律があるようです(6か月未満でも、暫定的な命令を出すことは可能)。つまり、6か月間州内に住むと、上記のルールが適用されるようなのです。おそらくこのことを知っている日本人親はほとんどいないのではないかと思われます。
それにしても、米国では離婚後の共同親権が一般的であるため、離婚後も紛争が尽きないように思われます。その点について尋ねたところ、明確な統計ではないが、多くの親は監護をめぐる紛争について裁判所を訪れるのは1回だが、子どもが成人になるまで2~3回訪れる親もいる、わずかだが常に紛争を抱えている親もいる、とのことでした。両親が合意すれば、裁判所が命令を出して、Parenting Coordinator(親業に関する調整者)を決めることができるそうです。PCは、両親が争っている場合に子どもの利益の観点から両親に代わって決めるそうです。もっとも、実際には利用は少ないようでした(弁護士さんも、1件、やっておられるようでしたが)。
離婚後の共同親権は、日本でも論点になりつつありますが、一長一短と言えるでしょう。しかし、米国は、非監護親(多くの場合、父親)が子どもと関われることに大きな価値を見いだし、そのためにはある程度の副作用もやむを得ないと考えているように見えました。
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