2014年2月15日土曜日

Garbolino判事

 11日(火)は、午前がSacramentoのDA office(検事局)訪問、午後が元州地方裁判所判事のGarbolino氏の講義でした。
 DA officeについては、以前、国務省訪問時に、California州ではDA(地方検事)がLBP(残された親)に代わってハーグ条約事件の申立てをするという話を聞いていたため、その点を中心に調査したかったのですが、実際にはどうも間違いのようで、親の代理はしないということでした。
 DA officeでは、基本的に刑事的側面をやっているようですが、米国に子を連れ帰った親が協力的である限り、刑事的な対応はとらないそうです(刑事は最後の手段だと言っていました)。非協力的な場合は、裁判所にpinpoint orderとchild protection orderを申請します。前者は子どもを探す権限をDAに与えるもので、後者は子どもを見つけたときに保護する権限をDAに与えるものだそうです。
 子どもを探す場合の強力な武器は、Amber Alertです。これは1996年にテキサス州で始まり、カリフォルニア州では2002年からスタートした仕組みで、要するに警察が子どもが誰かに連れ去られると、さまざまな手段で周知し、市民に情報提供を呼びかけるものです。例えば、facebookやtwitterなどのSNS、街や高速道路の電光掲示板などで呼びかけます。実際、私たちが高速道路を走っているときも、大きな電光掲示板に、ある自動車の色とナンバーが表示されていました(もっとも、TVによれば、子どもが危険な状態にないことが明らかになったらしく、まもなく解除されました)。例えば、Sacramento周辺で子どもが行方不明になれば、まずはその周辺地域で周知をはかり、時間の経過とともに周知地域を拡大していくようです。日本で言えば公開捜査でしょうが、刑事事件になるかどうかに関わらず使用されることと、やり方が徹底している点で違いがあるように感じました。
 午後のGarbolino元判事の講義は、ハーグ条約に焦点をしぼったもので、大変参考になりました。事前にお送りしておいた質問については、まるで論文か何かのように詳細に文書で回答してくださり、これも非常にありがたいものでした。
 最も勉強になったのは、米国の監護権についてでした。監護権と面会交流権は異なりますが、面会交流権が充実すればするほど、実質的に監護権に近づくと考えられるとのことでした。具体的には、米国で一般的な、母親が基本的に監護をして、父親が2週間に1度、金曜日の夜から月曜日の朝まで一緒に過ごす程度なら、父親に監護権があるとは言わないが、父親と過ごす時間がもっと多くなれば、父親も監護権を有すると言えることになるというのです。もっとも、ハーグ条約事件においては国際的な実務にも目を配らなければならないことも指摘されました。
 また、米国ではrelocation(子どもの移動。moving away)をしようとする場合、基本的に非監護親に事前に通知しなければならず、非監護親は裁判で争うことができます。しかし、これは争えるだけで、居所指定に関して非監護親が拒否権を有しているわけではないため、relocationがあるからといって、非監護親に監護権があることにはならないだろう、とのことでした。このあたりは細かいことですが、ハーグ条約の実務においては大変参考になるお話でした。
 
 

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