2月3日(月)は、午前中にManchesterにあるYWCAと、州都ConcordにあるFederal District Courtを訪問し、午後にDurhamにあるUniversity of New HampshireのCrimes Against Children Research Lab.を訪問しました。
YWCAでは、DVを受けた女性の支援をしているCrisis Centerと、DVや子ども虐待などをしたことがある父親と子どもとの面会交流を支援するVisitation Centerを見学させていただきました。前者も興味深かったですが(警察と連携しつつ、同時に各々被害女性に対し守秘義務を負っている点や、被害女性に情報提供をしつつ、最終的にはその女性の意思を尊重する点など)、特にVisitation Centerは印象的でした。日本ですと、虐待をした親とは基本的に会わせないという発想になりそうですが、米国では監視付きで面会交流を認める傾向があります(もちろん、とても危険なケースでは認めません)。Visitation Centerは、母親が子どもを連れてくると、父親と一切会うことなく、監視付きで子どもと面会させる施設です。
施設見学もさせていただきましたが、母親及び子どもと父親は、入ってくる経路も別になっており、父母が顔を合わせることはありません。部屋は3室あり、特に監視がない部屋、ビデオカメラによる監視がある部屋、職員が入室して監視する部屋が用意されていました。中には多数のおもちゃがあり、遊べるようになっていました。施設の方のお話では、面会時間は概ね1時間だそうです。
素晴らしい施設でしたが、一方、危険とは隣り合わせ。昨年夏には、父親が銃を隠し持っており、子どもを殺害して自分も自殺したケースがあったそうです(日本でも昨年末に父親が子どもに灯油をかけて焼き殺し、自分も焼身自殺したケースがありました)。また、資金的に非常に厳しいらしく、特にあるところからの寄付が来年度は半分になるそうで、続けていけるかどうか検討中だそうです。企業に寄付を募っても、この施設を利用できる人数は限られるため、企業としても宣伝効果がなく、なかなか寄付が集まらないという悩みをおっしゃっていました。
日本でも面会交流に対する支援の必要性が指摘されていますが、特に経済的に困難が伴うことは否定できません。
Federal District Court(連邦地方裁判所)は、厳重なセキュリティのもとで見学させていただきました。印象的だったのは、すでに電子的に訴状を提出できるようになっていること、弁護士を頼みたくない人(or頼めない人)は、裁判所にある端末を使って判例等を調査し、訴状を作成できるようになっていることでした。また、Laplante判事ともお会いすることができました。判事は、ハーグ条約事件を取り扱ったのは1件だけだそうですが、そのときのエピソードなどをお話しくださいました。
昼食の地中海風パスタは、大味でちょっといただけませんでしたが(苦笑)、午後は子ども虐待に関するリサーチで有名なDavad Finkelhor博士にお会いすることができました。率直に言って、ハーグ条約や博士の専門分野ではなく、私たちと何を話してよいのやらと思っておられたと思います。ただ、異文化に配慮した調停の重要性など、貴重なご示唆をいただきました。また、米国における子ども虐待政策の問題として、子どもの保護に関する基準がなく、裁判官によって判断にばらつきが生じていること、本来支援を必要としている(しかし、必ずしも希望しているわけではない)家庭に支援を届けられていないこと、膨大な通告の前に対応が手薄になっていることなどを挙げておられました。
博士は9 月に子ども虐待防止世界会議@名古屋にいらっしゃいますが、心からお待ちしていることをお伝えしました。
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