2014年2月11日火曜日

Washoe Tribal Court

 7日(金)の午後は、Washoe Tribal Court(ワショー部族裁判所)の訪問でした。実は、この訪問は秘かに楽しみにしていました。というのは、Native American(つまり、インディアン)の保留地を訪ねるのは初めてだったからです。
 米国において、インディアンは筆舌に尽くしがたい苦難の歴史を生きてきました。白人がアメリカ大陸に到着してから、インディアンは疫病や虐殺によりその95%が死に絶えたとも言われています。その後も、不毛で狭い土地を保留地として当てがわれ、インディアンたちはその地に強制移住させられました。現在でも貧困にあえぎ、その影響でアルコールや薬物の問題が深刻だと言われています。
 裁判所では、主にDV(夫婦間暴力)について状況をうかがいました。ワショー族の人口は約1,600人ですが、何と毎年300件のDV相談があるそうです。ある調査によれば米国の女性の約3分の1はDVの被害を受けているそうですが、それよりもはるかに高い頻度でDVが発生しているように思われます。
 ワショーでは、男性も参加してDV防止のキャンペーンを行っているようですが、高いときは75%に達する失業率のなか、家庭におけるストレスは簡単に軽減しません。また、ワショー族も苦難の歴史をたどってきた関係で、国に対する根強い不信感もあるとのことでした。
 被害に遭ったの女性の保護も容易でなく、保留地のなかにはなかなか逃げ場がないため、別の保留地に行くか、Renoのシェルターを使ったりするそうです。連邦政府からわずかな援助を得てワショー族のDV被害女性の支援をしているAngela Lemasさんは、「ワショー族の子どもたちは、昼間から飲んだくれて妻を殴っている家庭や、高校をドロップアウトしぶらぶらしている若者しか見ることなく育っていることから、よいモデルがないのだ」と難しさを指摘していました。そして、子どもたちが外の世界に目を開けるよう支援しているとのことでした。
 
 しかし、一方で、ワショー族の文化も大切にしているのでした。白人社会に紛れてしまえば楽なのかもしれませんが、ワショー族の文化と伝統を守りながら暴力や貧困、アルコール、薬物の問題と戦っていくという道を選択しているのでした。
 苦しい戦いのことを、英語でuphill battleと言います。直訳すると「上り坂での戦い」ですが、まさにAngelaさんたちの戦いはuphill battleにほかなりません。心から健闘を祈りつつ、裁判所を後にしました。
Washoe Tribal Courtの概観

法廷の中はワショー族の写真等が飾られていました。

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